「ちがきになる」とは「ち」の発音を「き」と発音してしまうことです。ちがきになるのは、発音の位置の間違いが起きていることが原因です。
例えば、地球(ちきゅう)と言いたいが、気球(ききゅう)と発音が出てしまう等、「ち」の発音が上手くできないことがあります。
子供も大人も、ちがきになることがありますが、なぜ発音の位置の間違いが起きてしまうのか、改善することはできるのか、発音・滑舌の専門家が詳しくご説明します。
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Q、ちがきになる側音化構音の原因は何ですか?
ちがきになる側音化構音の原因は何ですか?
発音の位置の間違いが原因
A、発音の位置の間違いが原因
ちがきになる側音化構音の原因は、発音の位置の間違いが起きていることです。「ち」と発音する時に、舌が立つなどして、「き」の発音の位置で舌が動いてしまうことが原因です。
本来「ち」の発音は口の前側で作りますが、奥側で発音を作る「き」の位置に舌が変化している状態です。子供の頃に舌の位置が安定せずに、この状態になることや、自然と治らない場合には、大人になっても「ち」を「き」と発音してしまうことがあります。
大人になっても継続する場合には、自然に治ることはありませんので、発音のトレーニングを行う必要があります。
このように母音の「い段」である「き、ち」が言いづらいことを「側音化構音」と言います。
側音化構音が原因
ちがきになる原因は、側音化構音が原因です。側音化構音の場合には、「き」の発音だけではなく、母音の「い段」の「い、き、し、ち、に」等が全て言いづらく感じています。
口の片側から空気が抜ける話し方や、発音時に片側の頬の引っ張りが強いことや、唾液が混ざる音が出る場合があります。これは舌に力が入り、舌が立つ形で発音していることが原因です。
例えば、「ち」が「き」になる、「じ」が「ぎ」になる、「し」が「じ」になる、など、間違った発音が出てしまいます。
子供の頃から言いづらい場合は、発音を治すことをしないと自然には治らないため、発音トレーニングをする必要がありますが、トレーニングをすることで側音化構音を改善することができます。
子供で「ち」が「き」になる原因
子供で「ち」が「き」になる原因は、舌の動きがまだ整っていないことで「ち」の発音の位置で「き」を言ってしまうことです。
舌が短くて動きづらい場合や、まだ、言葉を混合して発音してしまう場合に起きています。正しく教えると、それぞれの音が出る場合や、その位置で発音しづらい場合とがあります。正しい音が出せる場合には、舌の偏りや立つ動作などはありませんので、問題ありません。
一方、口の片側の引っ張りが強かったり、舌に力が入っている様子の場合には、発音時の舌の形に問題が起きていますので、発音訓練が必要です。
全体的に「い、き、し、ち、に」が言えていない場合は、上記でご説明しました「側音化構音」と言い、自然には治らないため、治すためのトレーニングをする必要があります。
大人で「ち」が「き」になる原因
大人の方で「ち」が「き」になる原因は、「ち」の発音をする時に、舌が片側に偏り、舌に力が入るなどして「き」の発音の位置に変化することが原因です。
例えば、地球(ちきゅう)と言いたいが、気球(ききゅう)と発音が変化してしまう状態です。皆さん、子供の頃から言いづらさをお持ちで、治し方が分からないため、そのままの発音で過ごしてしまいます。
なんとか発音を誤魔化そうと、「そっと」弱く発音したり、なるべく別の言葉に言い換えて会話をするなどしている、とよく聞きます。
子供の頃に発音の位置を治していない場合には、大人になっても言いづらさが継続するため、この場合は発音のトレーニングが必要です。
母音の「い」の段が言いづらいことを側音化構音と言いますが、トレーニングで改善することができます。
ちの発音の位置
「ち」の発音は、歯茎硬口蓋破擦音の無声子音「tɕ」と母音の「i」で作られています。そのため「ち」の発音の位置は口の前側です。
た行の「t」に「ɕ」が加わることで、「ち」の発音になりますが、舌立つなどして言いづらい場合には、この「ɕ」が上手く出せていなことが原因です。上手く「ち」を言うためには「ɕ」がポイントです。
また、間違った発音をしている場合には、空気が左側から抜けたり、真ん中から出ていても「き」に近い音に変化するなどありますので、練習の際は特に注意が必要です。
インターネット等で間違った情報で練習をしている場合も、舌の偏りが取れていないことが多く、「似た音」が出せても言いづらさが残る場合があります。
練習をしても言いづらいと感じたら、今している練習方法を見直す必要があります。
きの発音の位置
「き」の発音は、軟口蓋破裂音の無声子音「k」と母音の「i」から作られる音です。そのため「き」の発音の位置は口の奥側です。
舌を破裂させる筋力が弱い場合や、発音の位置自体が間違っている場合には、明瞭な「き」を発音することができません。
か行の中でも特に「き」が言いづらい場合には、舌が立つなどして、発音の位置に間違いが起きています。この場合には、発音時の舌の癖を取り除くトレーニングが必要です。
下記、「き」が言えない原因にて詳しくご説明しています。
舌の位置の間違いは改善できる
舌の位置の間違いは改善することができます。正しい舌の位置に戻し、舌のトレーニングを行うことで、正しい位置で発音できるようになります。
子供も大人も、発音の仕方の間違いを正すことで、楽に発音ができるようになるものです。
まとめ
ちがきになる原因は、発音の位置の間違いが起きていることです。
発音の位置の間違いを正す、舌のトレーニングを行うことで、改善することができます。また、正しい発音ができた時には、発音が楽に感じるものです。
まずはご自宅でもできる、「滑舌を良くする方法【Lesson1】舌トレーニング」もお試しください。